忌野清志郎さん命日 お墓や多摩蘭坂に多数のファンが

忌野清志郎さん命日 お墓や多摩蘭坂に多数のファンが
高尾山には清志郎さんのお墓が



ロックミュージシャンの忌野清志郎さんの命日にあたる2日、清志郎さんに縁のある地には、多数のファンが集まった。

2009年5月2日、がん性リンパ管症で清志郎さんが死去(享年58)してから5年…。翌年の一周忌に完成した清志郎さんのお墓がある東京都八王子市の高尾霊園高乗寺にも、この日が命日とあって、墓参りするファンの姿が。

お墓は色とりどりの花やメッセージが供えられ、清志郎さんが生前着ていたステージ衣装のようにド派手で、目立っている。清志郎さんがフロントマンを務めていたロックバンド・RCサクセションにも「お墓」という曲があるが、高尾霊園では極めて異彩を放っていた。
忌野清志郎さん命日 お墓や多摩蘭坂に多数のファンが

JR高尾駅から徒歩約15分、けっこうな上り坂を歩かなければならないため、「見つけたー!」と、40代女性2人の声が響く。2人は専門学校時代からの友人だそうで、うち1人の女性はこの日のために、静岡から足を運んだとのこと。清志郎さんとの出会いは、清志郎さんが坂本龍一と82年にリリースした「い・け・な・い ルージュマジック」だったそうで、男同士でキスしたりと、とにかく衝撃的だったという。

忌野清志郎さん命日 お墓や多摩蘭坂に多数のファンが
多数のファンが訪れた

「当時は小学生でした。中学になってからRCサクセションがフォーク編成のときとか昔のも聴いて。ずっと好きで、いつも励まされてきました。悩んでるときに聴くと、“そうだよな、パワーだよな”って。清志郎の歌詞も行動も好きだし、声も歌もいい。ずっと好きです」

清志郎さんの思い出を語ってくれた女性は、まだ子供も小学生で、学校の役員などもあるため、なかなか墓参りする機会がなかったそうだ。そのお子さんは、RCの「ぼくの好きな先生」を口ずさむこともあるという。いまから40年以上前の楽曲だが、覚えやすい歌詞やメロディーがそうさせるのだろうか。

ちなみに「ぼくの好きな先生」が収録されているアルバム『初期のRCサクセション』や「キミかわいいね」、「三番目に大事なもの」などフォーク編成時代の楽曲は、女性に対して刺々しい言葉が目立つものもあるが、「全然気にならない。だって清志郎が歌うんだから」と、清志郎さんの楽曲に惚れ込んでいた。

お墓に向かって手を合わせていた30代男性は、「命日以外も何回も来ています」とのことで、「2000年ぐらいにフジロックで清志郎さんを観て、凄い人だなと思って」と、清志郎さんが毎年のように出演していたフジロックの思い出を語る。さらに「コアで凄い人ばかりが出演していたフジロックも、最近は面白くなくなってきた」と寂しそうに話し、「これから横須賀に行きます」と、奇しくもこの日が命日の元X-JAPANのギタリスト・hideさんを弔うため、hideさんの地元・横須賀へと向かった。

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いまだ多くのファンに愛されている清志郎さん

また、清志郎さん縁の地といえば、RCサクセションの楽曲にもある「多摩蘭坂」。清志郎さんのホームタウン・国立駅から徒歩約10分、国立市と国分寺市の境にあり、近くの一橋大学の学生や大八車を引く人が坂を上る際、「たまらん」と言ったから名づけられたなど諸説ある。

忌野清志郎さん命日 お墓や多摩蘭坂に多数のファンが
多摩蘭坂

清志郎さんの誕生日(4月2日)や命日になると、いまでもファンがここを訪れ、「たまらん坂」と記された柱に供え物を置いていくことで知られるが、取材時には40代夫婦の姿が。奥さんがひまわりを献花し、旦那さんが「やっぱり清志郎といえば、ひまわりでしょ。彼のお墓も地味な花なんてなかったでしょ?」と、ズバリ言ってみせた。

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多摩蘭坂にもファンの姿が

清志郎さんとの出会いは「い・け・な・い ルージュマジック」だったそうで、「当時中一でした。そこから『ラプソディ』とか『PLEASE』、『BLUE』とかさかのぼって聴くようになりました」とのこと。

09年5月9日、青山葬儀所での『青山ロックン・ロール・ショー』には足を運んだそうだが、高尾霊園のお墓には頑なに行くことを拒んでいるという。「何か行っちゃうと、あー本当に亡くなっちゃったんだなと思ってしまう。やっぱり認めたくないんでしょうね」と、まるで泉谷しげると同じようなスタンスだ。

ちなみに供え物には、『Baby #1』のジャケットを飾った清志郎さんの顔写真とともに“NO NUKES”のメッセージ入りステッカーが。「原発はいらない」と歌っていた清志郎さんの思いを込めてのことだろう。

忌野清志郎さん命日 お墓や多摩蘭坂に多数のファンが
供え物

なお、柱の近くには、国立市に『ふるさと納税』をして、多摩蘭坂に清志郎さんのモニュメントを建ててもらえるよう呼びかけるメッセージが貼られていた。

この日は渋谷公会堂で『忌野清志郎 ロックン・ロール・ショー Love&Peace』が開催され、清志郎さんの盟友だった“チャボ”仲井戸麗市や奥田民生、トータス松本、真心ブラザーズなど清志郎さんと親交のあったミュージシャンが出演。当然、渋公を訪れた人もいるだろうし、渋公に行けなくても墓参りした人や多摩蘭坂に足を運んだ人もいる。清志郎さんのファンは、思い思いの5月2日を過ごした。
忌野清志郎さん命日 お墓や多摩蘭坂に多数のファンが

忌野清志郎さん命日 お墓や多摩蘭坂に多数のファンが
墓地のいたるところに“らしさ”が残る
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ストーンヘンジのようなものも
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清志郎さんへのメッセージ
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モニュメント建立を呼びかける

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