女優の山本舞香(18)が3日、都内・シネマート新宿で行われた映画『桜ノ雨』学生限定完成披露試写会にモデルで女優の久松郁実(20)、俳優の広田亮平(19)、女優の田畑智子(35)、ウエダアツシ監督(38)とともに出席した。
ボーカロイドで人気に火がつき、ミリオンヒットを記録した卒業ソングの定番曲「桜ノ雨」を題材とした映画がついに完成。第14代リハウスガールで、『JR SKISKI』のCMに出演中の山本が、同作で映画初主演を務めている。
キャストの山本、久松、広田の3人は劇中と同じ制服姿で登壇。客席からは割れんばかりの歓声が上がり、山本は笑顔で観客に手を振った。
同作の主題歌でもあるhalyosy作詞・作曲の「桜ノ雨」はいまや卒業ソングの定番となり、観客の学生のほとんどが同曲を卒業式などで歌ったことがあることを把握した山本は、「私もこの作品が決まるまで聴いたことがなかったですけど、先輩だったりいろんな方が知ってたので、これだけ皆さんが知っているのは凄く嬉しいです」と感激。
山本は主人公の未来を演じており、今回が映画初主演となるが、「凄いプレッシャーでした。でも、まだまだ未熟なんですけど、私に主演を任せていただけるなんて光栄だなと思ったし、一生懸命頑張りたいなと思いました」とコメントした。
撮影現場の雰囲気について、山本は「凄い仲良かった…ね?」と、久松や広田に呼びかける。続けて、「浅香(航大)さんや三浦透子ちゃん含めて凄く仲良いですし、それが画面に出てると思います」と、この日は出席しなかった共演者の名前も挙げていた。
合唱の練習は約2ヶ月続いたそうで、山本は「ドラマ(の合間)を縫ってたので、あんまり出れてなかったんですけど、久しぶりにリハーサルに行ったときも生徒のみんなやいろんな先生が『ここはこうやって歌って』って感じで教えてくれました」と、周囲の協力があったことも明かす。
蓮役の広田は、「蓮は新入部員で合唱も一から始める役なので、だらけてたり、ダメダメな学生なんですよ。自分の私生活もダラダラで、家で寝てることが多いので、そういったところは自分と重ね合わせました」と、今回の役どころは自分と重なるところがあったそうだ。
瑠華役の久松は、「高校3年生で副部長の役をやらせていただいたんですけど、私は普段は仕切るほうではないので、どうやったら副部長らしく上手く仕切れるのかなとかいろいろ考えた。監督とかにアドバイスをいただきながら頑張りました」と、先輩役の難しさを語った。
MCから卒業式の思い出について聞かれた久松は、「私、卒業式で泣いたことがないんですよ。悲しくないわけじゃないけど、次に進学する高校だったり大学だったりで仲間に出会うほうが楽しみ。笑顔でバイバイできるようにしたいなと思ってるんですけど、『桜ノ雨』の歌詞の『出逢いの為の別れと信じて』が凄いリンクしている」と、「桜ノ雨」にちなんで返答。
芽衣子先生役の田畑は、「指揮を振ることがいままでの経験上なくて、練習に行ったときはもうみんな出来上がっている状態で、ここに入っていくのは大変だなと思いました。私が一番足が震えてたんじゃないかなと思います。顧問の先生というプレッシャーもあり、私が一番しっかりしなきゃと思いながらやってたんですけど」と、重圧があったことを明かした。
舞台挨拶がひと段落すると、山本、久松、広田を含めた総勢22名の音浜高校合唱部で、「桜ノ雨」を生合唱。この日は学生限定の完成披露試写会ということもあり、制服姿の観客がピンクのペンライトを掲げ、花を添えた。
歌い終えた山本は緊張から解放された様子で、お腹を押さえたり、久松と見つめ合って、思わず笑みがこぼれる。生合唱を見届けた田畑は、「もう言うことはないなと思いました。観てくださいというだけです」と、ここでも顧問の顔になっていた。ウエダ監督も「きょうが彼らの合唱自体最後なんじゃないですかね。そう思うと、なかなか(こみ上げて)来るものがありました」と、労いの言葉を贈る。
最後に山本が「『桜ノ雨』は本当にいい歌なんですよ。私、毎回毎回泣いちゃうんですけど、今回は泣かなかった。このメンバーで歌うからこそ本当にいい作品ができたというか。素晴らしいキャスト、スタッフの皆さんに支えていただいて、皆さんがいなければこの作品はできなかった。本当に素晴らしい作品になっているので、自信を持って観てくださいと言えます」と、同作をアピール。
フォトセッションは、この日の登壇者が客席に下りて、観客を入れた形式で行われた。
【ストーリー】
小さな町の海辺にある、決して強豪校とは言えない音浜高校の合唱部。内気で何の取り柄もない高校2年の未来(みく)は、歌うこと、そして部長のハル先輩が大好きだけれど、この気持ちを“恋”と呼ぶかはまだ分からない。そんなある日、鬼顧問・芽依子先生の退職が決まり、先生最後の合唱コンクールで金賞を目指すことに。ハルが作った合唱曲「桜ノ雨」を歌いたいと思っていた部員たちは、芽依子が用意した高度な曲のハードな練習を前にバラバラになっていってしまう…。
同じ頃、未来は親友の友梨からハルへの想いを打ち明けられ、そのハルも自身の将来に向けてある決意を抱いていた。早すぎる周囲の変化に、どこか取り残されてしまったような不安でいっぱいになる未来。練習を積み重ね、何とか形にはなった歌唱曲だが、部員たちが自信を持って歌える仕上がりには程遠い状態のままコンクールの日が迫る。しかし、未来の「大好きなみんなと、大好きな曲を歌いたい!」というひたむきな想いが、少しずつ部員たちの心を動かし、ついに合唱部に大きな決断の時がやって来る――。
【出演】山本舞香 浅香航大 広田亮平 久松郁実 三浦透子 井上由貴 中村大樹 きそひろこ 田畑智子 奥貫薫
【監督】ウエダアツシ
【原作・原案】halyosy
【製作総指揮】吉田尚剛
【脚本】小林弘利
【製作】『桜ノ雨』製作委員会
【制作プロダクション】デジタル・フロンティア
【企画・配給】AMGエンタテインメント